森昭二
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特別展「地震と災難ー宝永地震から三河地震までー」を観にいきました。今回の展示は他所からの史料が多いためか展示室内は撮影禁止でした。なので写真はエントランス部分のみになります。悪しからず。
展示の中に昭和8年生まれの私の母が経験した東南海地震についてのものがありました。母の話では地震が起きた時に人々はすぐに高台に避難したのですが、地震が収まったあとに火元が気になるとか、貯金通帳を取ってくると言って自宅に戻った人は全て津波にさらわれてしまったそうです。地震のことを記した記録にもあるように、地震が起きたら速やかに高所に避難してそのまましばらくはそこにいた方が良いようですね。
こんなことを感じて帰宅したら、午後9時19分ごろに宮崎県で震度5弱の地震が発生して、宮崎県・高知県に津波注意報が発令されたというニュースが入ってきました!やはり日本は災害の多い国ですね。日頃から不慮の災害に備えておかなければいけないと改めて痛感しました。
2025.1.13
企画展「家康と三河の城」を観にいきました。「はじめに」のところにも書いてあったように、私たちは城というと、石垣があって白壁に屋根瓦が乗った櫓や天守があるものを想像しますが、それらは江戸時代まで存続したごくわずかなもので戦国時代の城と言えば、今の私たちの感覚からすると、砦とか橋頭堡といった感じのもので造りも土塁と空堀の所謂「土づくりの城」でした。今回の展示はそんな戦国の城の中で家康にゆかりのあるものを取り上げたものです。なのでいわゆる織豊系城郭が好きな人が見たら「なんだこれは?!」と思うかもしれませんが、戦国時代の山城や土の城が好きな方にはお勧めの展示ではないかと思います。
2024.1.9
特別展「三河本多一族」を観にいきました。大河ドラマには本多忠勝と本多正信の二人しか出ていませんが、家康の家臣には他にも多くの本多がいたのでした。
会場で久々に本多忠勝の寿像を見ました。寿像とは生前に描かれた肖像画ですが、私達がよく知る鹿角に黒い鎧の忠勝とはまるで別人のように描かれています。興味ある方は是非見にいってみて下さい。
大河ドラマには登場していませんが「鬼作左」として有名な本多作左衛門重次についての展示もありました。それによると作左衛門はどちらかといえば、いくさよりも奉行として活躍した人物だったそうです。ちょっと意外でした。
2023.10.4
特別展「徳川の支柱 酒井氏」を観にいきました。文書史料の多い展示でしたが、鎧や軍配、木像もあってそれなりに楽しめました。
それにしても、今回は展示以外にも色々工夫を凝らしていたと感じました。例えば私は次回の特別展とのセット券を購入したのですが、これは単に入場料が安くなるだけでなく、ミュージアムショップやぷらす珈琲で割引ができる特典も付いています。両方行く予定の方にはこれはお勧めです。それから会場には酒井忠次にちなんだ(?)えびすくいみくじもあります。他にも「どうする家康」の出演者の写真パネルも展示されていましたが、家康、信長、築山殿はよいとしても、どうして秀吉なのでしょうか?ここでは酒井忠次に関した展示を行っているので酒井忠次でなければおかしいと思います。
そんなわけで、名古屋城の金シャチ横丁で撮影した酒井忠次と本多忠勝のパネル写真を勝手に上げておきます。悪しからず。
2023.7.22
特別展「家康と一向一揆」を観にいきました。今回の展示は文献史料が多いので、以前の浮世絵の展示の様に大勢の人が来場するということはないかもしれませんね。
展示品の中に先週「どうする家康」に登場した本證寺の住職・空誓の肖像画がありました。説明を読んでみると空誓は慶長19年(1614)に70歳で亡くなったので、三河一向一揆の時は19歳だったと書かれていましたがドラマの空誓は壮年の男性でした。あれでは史実とは違いますが19歳の少年ではあのようなカリスマ性のある僧侶を演出するのには無理があると判断されたので、あのような設定になったのでしょう。
ドラマでは先週から一向一揆との戦いが始まりました。一揆の平定に手を焼いた家康は一揆側に「何もかも元通りにする」と宣言します。一揆側は「以前のように年貢を収めなくてすむ」と喜んで家康との和平に応じるのですが...その辺りがドラマではどのように描かれるのか、今から楽しみにしています。
2023.2.24
特別展「養生から健康へ」を観にいきました。古代から現代まで健康をテーマにした展示になっています。興味深い展示品はいくつかありましたが、私が興味を持った一つは曲直瀬道三の肖像画です。曲直瀬道三は戦国時代を生きた名医の一人ですが、もし肖像画があれば見てみたいと思っていました。写真とはいえ肖像画を見ることができて嬉しかったです。
『養生訓』を著した貝原益軒は「裕福は求めても得られない場合があるが、健康長寿は求めれば得られる」と考えていたそうです。私達も気をつけないといけませんね。
2022.9.28
特別展「怖〜い浮世絵」を観にいきました。普段はそれほど来館者が多くないのに土曜日とはいえ非常に多くの来館者がいたので驚きました。令和の時代になっても、幽霊や妖怪の人気は相変わらずですね。怖いもの見たさでしょうか?浮世絵だけでなく幽霊の肉筆画もいくつか展示されていました。河鍋暁斎の作品がなかったのはちょっと残念でしたが、今まで本や写真でしか見たことがなかった幽霊画の実物を見れたのは良かったです。色々ある中で私の興味を惹いたのは静湖が地獄太夫を描いた「地獄太夫図」と松村呉春の描いた「春の夜」でしょうか。
春の夜や おぼろの中の おぼろかな 九起
2022.8.27
特別展「女子のたしなみ」を観にいきました。しかし今回は展示そのものよりもホールに展示されていた「福よせ雛」に圧倒されました。人形の数もさることながら、特別展に合わせた江戸、明治、大正、昭和の女子の風俗をモチーフにした「女子のたしなみ披露ショー」は圧巻でした。次回も期待しています。
2022.3.11
企画展「THE 三河MANZAI」を観ました。江戸時代には正月に三河の万歳師が関東一円の檀那場(お得意先)を回って万歳を披露していたので、関東では万歳といえば三河万歳を意味していたのだそうです。かつてはとても盛んだったのですね。
ところで、こちらの博物館は開館以来、三河万歳の史料の収集に努めていて、今回はそれらのほとんどを展示しているそうです。素晴らしいですね。地元の伝統芸能を後世に伝えようという熱意を感じました。数ある展示品の中で、私には本来は男性である万歳師を女性に描いた万歳図が面白かったです。
2022.1.14
特別展の「家康を支えた三河石川一族」を観ました。はっきり言って、今回の展示は文字史料がほとんどなので、一般受けはしないのではと思います。でもこちらの博物館は「安倍晴明」とか「発掘された日本列島2017」など面白い展示をよくやってくれます。
常設展示も見どころが多々あります。例えば「人面文壺形土器」。壺に人の顔が線刻された土器ですが、この地方でよく出土するのだそうです。なぜでしょうか?今後の研究に期待しましょう。
それから石川丈山。以前読んだ本に「石川丈山は幕府のスパイだった」という話が書いてありましたが石川丈山はこの地方の出身だったのですね。それならあり得ますね。
今回は以前見た「人魚模型」が見たかったのですが、聖徳太子の像に変わっていたので残念でした。それにしても西洋の人魚は美女なのにどうして日本の人魚は不気味なのでしょうか?
それから「三河万歳」についての展示もあります。今日の漫才は所謂「しゃべくり漫才」でトークだけのものですが、昔の「万歳」は歌や踊りもあるものでした。そんな今の漫才の源流の一つともいうべき「三河万歳」ですが、その映像も見ることができます。とても興味深いものです。
こんな感じでなかなか見どころの多い面白い博物館だと思います。